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自分のための不連続日記

暇なときに思ったことや考えたことを書きます.数学の話も書くかもしれません.更新は不連続です.

微積自主ゼミで印象的だったこといろいろ①

こんにちは,今回は数学の記事です.

僕を含めて,K君,T君,Sさん,後輩のMさん,Y君の6人で「微積分自主ゼミ」というものをやることに決まってはや4ヶ月がたち,再来週の月曜日を持って完結しますのでここではそこでの思い出を振り返ってみようと思います.

 

使用した本は

笠原皓司 著   微分積分学 サイエンス社

です.

 

2/24に発足したこのゼミは,週1回2コマのペースで初めから読んでいくことになりました.この自主ゼミのモチベーションとしては,1回生の頃に読まなかった(というより読めなかった)笠原微積を皆で復習がてらに読んでみようというものでした.

確か僕は初回にこんな問題をゼミのメンバーに問いかけました.

 

displaystyle lim_{n 	o infty} sqrt[n{n} ]  の極限値を求めよ.

 

みなさんは分かりますでしょうか.

僕はこの問題に関して以下のような解答を考えてきました.まず,

 displaystyle lim_{n 	o infty} {a_n}  =  l 

ならば

displaystyle lim_{n 	o infty} {rac{a_1+a_2+cdots+a_n}{n} } = l  

 は直接の証明には影響しませんが重要な議論なので一応示します.

 l が有限なら a_n - l を新たに a_n と書いてしまえば,最初から  l = 0 としても一般性を失いません.

任意の  epsilon  >  0 に対して,ある番号  n_0 があって

 | a_n | < rac{epsilon}{2}   ( n geq n_0)

 をみたすものがあります.なので

 | a_{n_0 + 1} + cdots + a_n| < (n - n_0 ){rac{epsilon}{2}}

また  n_0 を固定しているので rac{a_1+a_2+cdots+a_{n_0}}{n}  n 	o infty のとき 0 に収束します.つまり

 | rac{a_1+a_2+cdots+a_{n_0}}{n} | < rac{epsilon}{2}    ( n geq n_1)

となるような番号  n_1 geq n_0 があるのですね.

よって

 | rac{a_1+a_2+cdots+a_n}{n} | < rac{epsilon}{2} + (1 - rac{n_0}{n} ) rac{epsilon}{2} < epsilon      ( n geq n_1 )

これは

displaystyle lim_{n 	o infty} {rac{a_1+a_2+cdots+a_n}{n} } = 0  を表しています.

 l = pm infty の場合は同じようにできます.勘弁してください(証明は各自の演習問題)

 

さてここからが本題です.以上と同じような議論を対数を取って行えば( a_n > 0 とします)

 displaystyle lim_{n 	o infty} {a_n}  =  l 

ならば

displaystyle lim_{n 	o infty} sqrt[n{a_1 a_2 cdots a_n} = l  ]

が成立します.(証明は各自の演習問題)

するとあとはもう簡単.

a_n = rac{n}{n-1}   (n = 2,3,cdots) とおいてしまいましょう.

あ,  a_1 = 1 としておきます.すると

 displaystyle lim_{n 	o infty} a_n = 1

 sqrt[n{a_1 a_2 cdots a_n} = sqrt[n]{rac{1}{1} cdot rac{2}{1} cdot rac{3}{2} cdots rac{n-1}{n-2} cdot rac{n}{n-1} }= sqrt[n]{n} ]

ですね.

上の結果を使えば

displaystyle lim_{n 	o infty} sqrt[n{n}  = 1] 

 

 

さてこれでも良いのですがこの問題を出した時に,別解が生まれました.実は以下で示すこの別解の方がシンプルで簡単なのですが,この問題を持ってきた当時の僕としてはなぜか盲点で別解を出されたこととそれが全く正しかったことが悔しかったのが良い思い出です.

 

 

明らかに  sqrt[n{n} > 1] なので  {lambda}_n > 0 をとって

sqrt[n{n}  = 1 + {lambda}_n ]

とおきましょう.

 n 乗して2項展開すれば

 n = (1 +  {lambda}_n )^n = 1 +  n{lambda}_n + rac{n(n-1)}{2}  {{lambda}_n}^2 + cdots +  {{lambda}_n}^n > 1+ rac{n(n-1)}{2}  {{lambda}_n}^2 

ちょちょっとまとめて

 0 <{ {lambda}_n}^2 < rac{2}{n}  	o 0 (n 	o infty) *1

 よって

{lambda}_n 	o 0 となって

 sqrt[n{n} o 1] ですね,あらシンプル.

 

とまあこんな別解でした.

なにが言いたいかったかと言うと

 

ゼミで得られるものは多い

 

 

*1:当たり前に0に収束するんですが,証明はアルキメデスの原理を使います.